(公開日:2020.10.28)(更新日:2024.9.26)
僕は現在36歳で現役の介護福祉士(14年目)、妻も現役介護福祉士、2児のパパです。
2020年9月30日、介護のこんなニュースが入ってきました。
神戸市灘区の特別養護老人ホーム「きしろ荘」で、長期間にわたって入所者を週1回程度の入浴しかさせず、資格のない職員が入所者の胃にチューブで栄養や薬を補給する「胃ろう」などの処置をしていたことが分かった。
引用元:神戸新聞NEXT
ということで今回は【それって違法なの?介護士が知っておきたい医療行為一覧】に関する内容です。
介護士として働いている方の中にも
・どこから医療行為なの?
・介護士はどんな時に医療行為を求められてしまうの?
・介護士が医療行為をしたら捕まるの?
と実は疑問に感じている人もいるかと思います。
そんなあなたへ、介護士が知っておきたい医療行為一覧の具体的なポイントについてまとめてみました。
福祉施設で医療行為といえば看護師さんの領域ですよね。でも忙しい日々の業務の中で、知らない内に介護士が医療行為をしてしまっているかもしれない。
また、医療行為だとはわかっていても、やってみたら出来た、看護師さんが大変そうなので代わりにやった、頼まれたからやった等々、施設単位で様々な背景があるかもしれません。
しかし、万が一のことがあった場合のことを考えている介護士はどのくらいいるでしょうか?
今回はそんな医療行為に焦点を当てていきますので、現役介護士の方にぜひ読んで頂きたいです♪
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介護現場で行える医療的ケアは?
それではまず、介護の現場で実際に介護士が行える医療的ケアを紹介していきたいと思います。
ご自身の職場でやってしまっていないか確認してみて下さいね♪
医療行為にあたらないもの
- 体温計(水銀体温計・電子体温計・耳式電子体温計)を用いた腋下・外耳道での体温測定
- 自動血圧測定器を用いた血圧測定(※水銀血圧計による測定を除く)
- パルスオキシメーターによる動脈血酸素飽和度の測定(新生児以外で入院治療が必要ないもの)
- 専門的な判断や技術を必要としない軽微な切り傷や擦り傷、やけどなどの処置
- 汚物で汚れたガーゼの交換
- 湿布の貼付
- 軟膏塗布(床ずれの処置を除く)
- 目薬の点眼
- 服薬介助(一包化された内用薬の内服・舌下錠を含む)
- 坐薬の挿入
- 鼻腔粘膜への薬剤噴霧の介助
規制対象外になる医療行為
法律では医療行為と言われているものでも、規制対象外として介護士が対応できるものがあります。
- 耳垢の除去(耳垢塞栓の除去を除く)
爪切り、爪やすりかけ - 歯ブラシや綿棒による口腔のケア(歯、口腔粘膜、舌など)
- ストーマのパウチにたまった排泄物の処理
自己導尿補助におけるカテーテルの準備、体位保持 - 市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いた浣腸
上記に記載されている行為は、基本的に介護士が対応できる医療行為とされています。
しかし、利用者が何らかの病状により不安定である場合など、医師・看護師の管理が必要である場合は医療行為とみなされることがあります。
利用者の状態に合わせて、医師・看護師の指示を得る必要があり、ご本人やご家族の同意が必要となる場合があります。
介護士が研修を受けた場合に限り行える医療行為
平成24年4月、「社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正」によって、一定の条件のもとで介護福祉士や介護職員等の医療行為が認められるようになりました。
- たんの吸引等の行為(喀痰吸引:定期的に痰を取り除く行為・口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
- 経管栄養(体外から管を通して栄養や水分を投与する行為・胃ろうまたは腸ろう、経鼻経管栄養)
介護福祉士の場合、平成27年度以降に取得している方は養成課程で実習を受け、
介護職員等は都道府県、登録研修期間で喀痰吸引等研修(基本研修と実地研修)を受講・修了し、痰の吸引等に関する知識や技能を修得したうえで行うことができます。細かい規定・条件などは「社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正」を参照して下さい。
※痰の吸引等を業務として行うには、一定の要件を満たした登録事業者である必要があります。
介護士が行えない医療行為は?
介護士による医療行為は一部認められてはいますが、残念ながら介護士は「医療従事者」ではないのです。
介護の現場で実際に介護士に求められてしまう医療行為があります。
それは・・・
- インスリン注射
- 摘便
- 床ずれの処置
- 血糖測定
- 点滴の管理
上記の医療行為は介護士が行うことを禁止しています。
介護士がこのような行為をやってもらうよう施設側から求められた場合は拒否し、
看護師に対応してもらう必要があります。
もう一度言いますが、介護士が医療行為を行うと違法になります。
※介護士が医療行為をしている・違法行為をさせられている施設や病院はごく一部です。医療行為だと分かっていても介護士にやってもらうよう求めてしまう一部の施設や病院を解説をしています。
なぜ介護士が医療行為をしてしまうのか?
違法ならやらなきゃいいじゃん!
と思いますよね?
それでは
なぜその違法行為を介護士がしてしまうのか詳しくみていきましょう。
人手が足りないから
介護施設はどこも人手が足りません。
介護士に限らず、看護師も同じように人手不足の施設が多いと思います。十分な人数の看護師を配置することができないために、やむを得ず介護士に依頼してしまう現場があります。
介護士も頼まれたら断れない人や、その医療行為を違法だとは感じずに協力してしまうこともあるでしょう。
また、医療行為と知らずに施設側から求められてやってしまう例があり、これはまさに僕が体験した過去の一例です⇩
僕は学生時代、田舎の特養でアルバイトをしていました。人手不足のため医療行為である「喀痰吸引」をやってほしいと言われました。時代も時代だったので当時は研修も受けておらず、看護師長に教わり見様見真似でやりました。医療行為であることは知っていましたが、お願いされたのでやらなきゃいけないものだと思い、違法行為をしているという自覚はありませんでした。今思うとスゴく怖いです…。
介護士が医療行為をしたら捕まるの?
医療行為は以下の条件を満たしており、仕事(お金目的)として行わなければ、これを全面的に禁止する法令はありません。
無資格者であっても正当性があれば、
などの緊急な応急処置を行うことができるのは、仕事(お金目的)として行うのではないからです。
- 輸血用血液の採血
- 実験的治療行為
- 先端医療
- 幼児、精神障害者、意識不明者など患者本人の承諾がとれないとき
- 緊急時の医療
なお、自分自身の体に行う行為は該当しません。
また、家族への医療行為は、本人の意思に任せるとして家族に対する医療行為は事実上容認されてしまっています。
実際に介護士が医療行為を行い、警察によって書類送検となったケースもあります。上記に記載の緊急時以外は自身の勝手な判断で行わないようにしましょう!☆実際の事例はこちら☆
それでも医療行為を求められたら…
- もしも、ご家族や利用者から求められてしまった際には、「違法なので出来ません」ときっぱりと断りましょう!
- 職場で違法な医療行為を求められてしまった際には、その職場の上司や同僚が違法であることを知らない可能性があるため、その行為自体が違法であるということを伝えましょう!
- 違法な医療行為を強制的にやらせようとしている職場で、改善が見られない場合は退職を検討しましょう!
自分の身を守れるのは自分だけです…。絶対に染まってはいけません!
さいごに……
今回は医療行為についてまとめてみましたが、ご自身の認識との相違はありましたか?意外と知らなかったこともあったでしょうか?
万が一あなたの勤めている施設で、医療行為が行われているようでしたら、違法行為に該当しますので上司に進言してみると良いでしょう。
頼まれたから・教えてもらったから・看護師さんが忙しそう…などの理由であなたが医療行為をする必要はありませんし、何かあった場合に心にダメージを受けるのはあなたです。
もしあなたの言葉に耳を傾けてくれない場合は転職も視野に入れ、ご自分の身を守られることを強くオススメします。
と、不安なあなたへ!
きらケアなら事前に職場見学をすることができます。実際に自分の目で見て、自身にあった職場なのか、確かめることができるのは、たいへん魅力的ですね!
また、就業後のアフターサポートが充実しており、職場環境の悩みなどをいつでも相談することができ、満足度が高いことは間違いなしです!
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