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どこを見てる?もっと知りたい利用者さんの観察ポイント3選【介護士】

(公開日:2020.10.28)(更新日:2024.1.2)

ひろと
ひろと
こんにちは、ひろと@Hiroto15_0507です。
僕は現在34歳で現役の介護福祉士(12年目)、妻も現役介護福祉士、2児のパパです。

今回はどこを見てる?もっと知りたい利用者さんの観察ポイント3選に関する内容です。

この記事ではこんな疑問を解決します。

利用者さんの観察って具体的に何をどう見ればいいの?

異常があった場合、どうすればいいの?

介護施設で働いていて、基本でありながら難しいのがこの利用者さんの『観察』です。

このスキルは一朝一夕で身に着くものではありません。しかし、利用者さんを観察するポイントが分かっていれば、身に付くスピードは全然違うと思います。

そこで今回は、利用者さんの観察ポイント・観察の視点についてお話したいと思います!

ぜひご覧ください♪

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利用者さんの観察ポイント3選

介護職で働く上で、利用者さんの体調不良の早期発見するためにもこの「観察する力」を身に付けなければなりません。

とはいえ、「観察」って言ってもどこをどう見ればいいの?と思う方もいると思います。

こちらの「高齢者の観察ポイント」を用いて解説していきたいと思います!

①顔色が悪い

普段からよく観察することはとても大切で、一番に観察したいのは顔色・表情です。言うまでもないかもしれませんが、顔の血色が良い、表情がやわらかいなどは良いサインです。

逆に眉間にしわを寄せ、こわばった表情をしている場合は、異常のサインの可能性があります。目線や姿勢、しぐさや声の調子もよく観察しましょう。言葉には出さなくても、そういうところに高齢者の思いや気持ちが現れることが多いです。

その場合は、すぐにバイタルサイン(体温、血圧、脈拍、呼吸)を確認し、異常がみられる場合は速やかに看護師・かかりつけ医へと引き継ぎます。

その際にはバイタルの値に加えて、直近の便や尿の回数や状態、食事摂取量や薬の服薬状況などについても報告を求められることがあります。

×:普段より食欲がなかったです。

:いつもは全量食べますが、食欲がなく半分しか食べませんでした。

×:排便がいつから出ていないか分かりません。

:排便は昨日が最終排便です。未消化便で腹痛を訴えることもありました。

このように普段との違いも含めて、具体的に説明するようにして下さい。日ごろから利用者さんに声をかけ、普段と違う様子であれば小さなことでも他のスタッフと情報を共有するようにしましょう!

利用者さんご本人からの訴えがなかったとしても、身体が温かかったり、顔が赤かったりする場合は発熱の疑いがあります。肌がカサカサに乾燥しているのであれば、脱水の可能性もあります。

②本人が痛みを訴えている

軽度の痛みであれば、看護師に報告し様子観察で問題ないかもしれません。

しかし、

  • 利用者さんが「これまでに経験が無いような強み」だと訴える
  • 普段見たこともないような痛がり方をしている
  • 突然はじまった痛み

こちらは重大な病気の可能性があります。看護師・かかりつけ医にすぐに相談・診てもらい、必要であれば救急車を要請して下さい。

特に気をつけた方が良い症状

●これまでの人生で経験のないようなひどい頭痛、胸や背中の痛みなど。
●体を動かしているうちにひどくなる、胸やみぞおちなどの痛み・こわさ。

③普段と違う様子が認められる

  • 元気がない
  • 食欲がない
  • いつもより元気がありすぎる興奮している
  • あまり水分をとっていない
  • 排尿排便が出ていないまたは色が悪い

などなど。利用者さんを普段からしっかりと見ていないと、「普段と何が違うのか?」気付けませんよね?

ですので、日頃から「どのような人なのか?」「その状態になることがあるのか?」しっかり観察しなければなりません。

利用者さんの食事・水分摂取量に関しては、記録に残すことはもちろんのこと、あまり摂取できていない場合は、スタッフ間でも情報を共有するようにして下さい。

便・尿の異常は特に分かりやすい観察ポイントです。取りこぼしのないようにきちんと観察し、記録に残しておくようにして下さい。普段と違う形状や色の場合は記録に残し、他のスタッフに共有。何か症状があれば受診を検討して下さい。

排尿の色 濃縮尿・血尿
排便の状態 硬便・軟便・未消化便・水様便
排便の色 赤褐色・黒・白

腹痛の有無やいつから排便が出ていないかしっかりチェックする

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利用者さんの観察、3つの視点

ここまでは利用者さんの観察ポイントを解説してきましたが、ここからはどのような視点で利用者さんを観察すれば良いのか、観察の仕方を具体的に3つ紹介していきます!

①客観的に見る

介護において「観察」とは、利用者さんの状態・変化を客観的に注意深く見ることです。「客観的に見る」ということがポイントです。自分ではしっかりと観察しているつもりでいても、そこに自身の考え「主観」が入りこんでしまうと、「観察」ではなくなります。

例えば、利用者さんが利用者さんの機嫌が悪く、おむつ交換をイヤがった場合⇩

『おむつ交換をイヤがった』客観的な事実

『利用者さんの機嫌が悪い』➪ 見た人の主観

見た人の主観の通り機嫌が悪かった訳ではなく、何か気がかりなことがあったのかもしれませんし、体調不良があったのかもしれません。声のかけ方、タイミングが悪かったのかもしれませんし、心の準備ができていなかったのかもしれません。

なぜ利用者さんがおむつ交換をイヤがったのか、本当のところは介護者には分かりません。

分からないことを「機嫌が悪かった」という主観で片付けてしまうと、次に同じことが起こったとしても、「たまたま機嫌が悪かっただけ」「突然怒り出す人」といった浅い推察で終わってしまいます。

しかし、目線やしぐさ、利用者の言動をしっかり観察する力があれば、「もしかしてこれが気になっているのかな?」「のどが乾いているのかな?」「この言いかたがイヤだったのかな?」と推察することができます。

「主観で決めつける」のではなく、「観察して仮説」を立てることが重要です。自分や周りのスタッフの仮説に従っていろいろと試してみる。試したことがうまく行けば、仮説が合っていることの裏付けになります。うまく行かなければ、また違う仮説を試してみる。

この繰り返しが、介護のスキルをアップさせていく大きな原動力になります。的確に観察できていれば、立てた仮説がうまくいく可能性が高くなります。ですので観察力を磨くことは、介護スキルのアップには必要不可欠なことなんです!

例えば利用者さんが

  • 目を合わせてくれない場合「何か不安なことがあるのかな?」
  • 声に力がない場合「体調が悪いのかな?」
  • 下ばかり見ている場合「何か気になることがあるのかな?」

などなど、このように推察をすることができると思います。

認知症の方は、言葉で表現することが苦手です。もちろん認知症でなくても、人は遠慮したり意地になったりして、自分の気持ちを素直に表現できないことがあります。

日頃から利用者さんを観察できていれば、「この人はこれがイヤなんだな」「これが好きなんだな」ということが分かります。その人の表情や声の調子、姿勢やしぐさといった、言葉以外の情報を集めることも大切です。

「観察」は、介護士が介護される人の気持ちを知るためのツールであり、不可欠なスキルであると言っても過言ではないです!

②一人ひとりに合わせた観察の目を持つ

『この利用者さんはここを重点的に見よう』

『この利用者さんはこういう傾向がよくみられるから、特によく見よう』

このように「観察」は、その人の性質や状態に合わせて観察ポイントを変えれるといいですね。

「旦那のお墓参りに行きたい」「孫と歩いて外食に行きたい」などの目標がある場合は、歩行の状態や排尿の間隔なども大切な観察ポイントです。

利用者さんによって「重点的に見る観察ポイント」を変えることで、ご本人の目標に向けて役立つ情報を集めることができます。

始めはうまくいかないかもしれませんが、相手のことを理解したいという気持ちは必ず相手に伝わります。焦らず、ゆっくりと取り組んでみてください。信頼関係を築けていくのがきっと実感できると思いますよ(^^♪

③決めつけない

自身の観察力を下げてしまう一番の敵は「決め付け」です。

基本的に利用者さん主体の介護職では、ご本人のペースやその日の状態に合わせてケアを行うため「AのときはBをする」など、マニュアルにすることが難しいのです。

「いつもこうだから、今日もこうすれば大丈夫だな」と決め付けてしまうと観察力を下げてしまいます。

また、自分の勝手な解釈で相手を「すぐ怒る人」「頑固な人」と決めつけてしまうと、そこにばかり目がいってしまい、必要な情報が目に入らなくなってしまいます。

「観察」は、相手の見える部分だけを見ることではなく、「相手の心が訴えていることを推し量ること」が大事だと思います。感覚的なものになってしまい、難しいかもしれませんが、経験を積めば身に付くスキルだと思います。そして、それは介護職のすべてのスキルを格段に押し上げていく力になります。

ただ何も考えずに介護をしているだけでは身に付きません。日頃から「見る」「聞く」「感じる」を意識し、利用者さんの気持ちに寄りそって経験を積み重ねていって下さいね!

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さいごに……

介護職に就いてから僕は『観察、観察!』と耳にタコができるくらい言われました。(笑)

正直に言うと、始めはよく分からなかったです。『いつもと違うところに気付けと言われても、普段と大して変わらないしな…』

とよく思い、利用者さんのちょっとした変化にあまり気付くことができませんでした。

しかし、『観察』がしっかりできていればそのちょっとした変化に気付け、体調不良の早期発見ができます。そして大事に至る前にナースやかかりつけ医に診てもらうことができます。

利用者さんを守るためにも、ぜひこの「観察」のスキルを身に付けて現場で役立てて下さいね!

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