(公開日:2020.10.28)(更新日:2024.9.26)
僕は現在36歳で現役の介護福祉士(14年目)、妻も現役介護福祉士、2児のパパです。
今回は【3Kと呼ばれても僕が介護士になった理由】に関する内容です。
「なぜ介護士になったの?」と、質問をされることが多いんです。
好意的に聞いてくれるならまだしも、否定的に聞いてくる人が多いんですよね…
それはきっと介護職が3K(きつい・汚い・危険)と呼ばれていて、そういうイメージばかりが先行しているからだと思います。
僕自身は介護士になってたくさんの学びがありました。介護という仕事は簡単ではないですが、自分自身と向き合い、考え方や行動を見つめ直すキッカケがたくさんあり、人として成長できていると実感しています。
そこで今回は、以下の2点についてお話したいと思います。
・僕がなぜ介護士になったのか?
・実際に介護士になって学んだことは?
介護の事を一人でも多くの方に知って、理解してもらえたらいいなと思います!
ぜひご覧ください(^^♪
Twitter 、インスタ でも介護について発信しているのでみて下さいね!
3Kと呼ばれる介護士に僕がなった理由
一般的にはこのような回答が多いと思います(^^♪
- 人の役に立ちたい
- 家族の要介護がきっかけに
- 人と接することが好き
- 施設見学やボランティアで興味を持った
次に、3K(きつい・汚い・危険)と呼ばれる介護職に、僕がなった理由を説明します。
それは、親にごり押しされたからです(笑)
将来のことや進路のことなどまったく考えていなかった高校2年生の時です。企業が学校に来て、就職相談説明会をやってくれるということでした。
その時、なぜか僕には介護の就職説明会のブースだけが目に止まりました。話を聞いてみると興味が湧き、その時初めて自分の将来に【介護】という選択肢が見えてきました。そして家に帰って両親に「介護に興味があるんだけど、自分の性格上合っていない気がするから迷ってる」という旨を伝えると、両親は「いや、あんたの性格に合っているからやりなよ!!」と僕の背中をごり押ししてくれました(笑)。
両親の言葉を素直に受け入れ、そこから福祉系4年制大学に進学しました。一時期は「就職先の幅が狭まる」という意味で福祉系大学に進学したことを後悔したこともありました。しかし、2ヶ月の特別養護老人ホームでの施設実習で、介護の楽しさや、やりがいに気づき再び介護職一本に狙いを定めることが出来ました。
その後、大学在学中に特別養護老人ホームで2年間アルバイトの経験をして、新卒で有料老人ホームに就職しました。「自分には向いていない仕事」と思っていたのに、両親に介護をごり押しされ、実際に実習で利用者さんと関わってみたことで、介護業界への興味がどんどん膨らみ、施設で働き始め9年経った現在も介護の道一本で突き進んでいます。
僕が実際に介護士になって学んだこと
- ありがとうの言葉の重み
- 人に必要とされることの喜び
- 人に寄り添うことの大切さ
介護士になって学んだことは数多くありますが、そのうちの3つを具体的に紹介したいと思います!
①ありがとうの言葉の重み
「介護をしていて嬉しいことは?」と聞かれたら真っ先にこれを答えると思います。ベタですがやっぱり「ありがとう」の言葉なんですね(笑)
「何かしてもらったら、ありがとうと言うなんて当たり前でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、「仕事だから、お金を払っているんだから」と、言われない業種もありますよね。利用者さんから、こんなにも直接「ありがとう」を言われる職業は他にないように思います。
認知症の方でも関係なく「ありがとう」を言ってくれます。感謝の気持ちというのは忘れないんですね。そして僕自身、「ありがとう」をたくさん言うようになりました。「ありがとうの気持ち」は「他の人へのありがとうの気持ち」に変わるのだと思っています。
②人に必要とされることの喜び
日常で「自分は人に必要とされている」と実感することって少なくありませんか?「人に必要とされること」それは承認欲求とも言い、人間だれしも自分を認めてほしいと思っています。
利用者さんと信頼関係を築いていくと、スタッフを「おい!」と呼んでいた利用者さんが僕の名前を呼んでくれたり、僕が来てくれないとイヤだと言ってくれたりします。その時に利用者さんに必要とされていると実感できます。それが介護士として一番の喜びだと僕は思っています。
ちなみに育休中の僕ですが、数名の利用者さんから「ひろとさんに髭剃りしてほしい」とか「絶対に忘れずやってくれるから、頼み事はひろとさんにお願いしたい」とか色々言ってもらえているらしく、スタッフからよく連絡が来ます(笑)
一人の人間として自分を認めてくれる瞬間、あの感覚、たまらないです(*´ω`*)
③人に寄り添うことの大切さ
僕たちにとって老人ホームは働く場ですが、利用者さんにとっては暮らしの場です。その暮らしが落ち着く場でないといけないと思いました。落ち着く場にするためには、スタッフの僕たちが利用者さんに寄り添って安心して生活していただくことが大切です。始めはどうすれば安心の場を提供できるのかをずっと考えていました。
そこで僕の出した答えは、自分の両親が施設に入った時、どんなケアをしてもらうのがいいのか?を考えて仕事をすることでした。そう考えると、利用者さんが何を必要としているのか、僕たちは何をすべきなのか、おのずと見えてきたんです。僕がしたい介護は利用者さんのニーズに応え、利用者さんの気持ちに最大限寄り添うことだと気づくことができました。
また、これにより利用者さんとの信頼関係を築くこともでき、共に働くスタッフ間の人間関係にも応用できます。お互いが信頼し合えば、より一層楽しく仕事をすることができると実感しています。
さいごに……
今回この記事を書こうと思った理由は、介護職につきまとうマイナスイメージを少しでも払拭したいと思ったからです。表面的に見える介護職は冒頭でもお話した3Kのイメージが強く、介護業界をよく知らない人に介護について話すとネガティブな想像が頭の中を駆け巡っているだろう表情をよくされます。
僕たち介護士は、正直そんな表面的な事柄は全く問題にしておらず、利用者さんの人生の貴重な時間をいかに有意義に過ごしてもらえるか、僕たちはそのために何ができるのかを毎日必死に考えています。その必死な毎日の中で、利用者さんに多くの事を学ばせてもらっています。
今回挙げた三つの学びは、介護現場だけでなく自分の家族や友人、その他のあらゆる人間関係においても当てはめて考えることができます。「介護士になったのはなぜ?」と聞く多くの人の思考が、ネガティブな発想からではなく、ポジティブな疑問として問いかけてもらえるように、僕はこれからも介護の世界について発信していきたいと思います。
ちなみに最近、僕のまわりではコロナ禍で収入が激減したり、転職を余儀なくされた友人の何人かは介護職に転職を考えています。その友人たちもやはり、介護業界のネガティブなイメージに不安を抱き、僕に相談してくれます。
体力的に大変な面はあっても、精神的な豊かさも得られる仕事だということもセットで伝え、介護業界に長く腰を据えるかは未定だとしても、少しでも興味があるのならまずは介護職員初任者研修の資格取得をして介護の知識を得てみるのも良いのでは?と助言しています。
転職するなら資格取得は大きな強みになりますし、自信に繋がり、またお給料にも反映されます。無料で資料請求もできます。